なんで言葉がたくさん出てくるのかというと、いつも考えているからかな、って思うんだ。だから嫌いなことでもいいんだけど、作文が嫌いっていうのも理由を考えるとたくさん言葉が出てくるかも。好きなことでも嫌いなことでも、ひとまず思いつく言葉や感情をわーっと書き出してみる。そしてその言葉をどうやってつなげれば人に伝えることができるのか、考えてみるんだ。

 最初から筋の通ったきれいな長い文章を書ける人はそんなにいないはず。まずは何かのテーマについて言葉を探して、それをつなげて短い文章にしてみることにチャレンジするのはどうだろう。

 たとえば、簡単なところでいうと一行日記とか! その日あった出来事をテーマにして、思ったことや感じたことを書き出すんだ。「体育の時間」が出来事だとしたら、そこで何をやって、どんなことを感じたのか。「ドッジボール」「楽しかった」っていう言葉が出てきたら、「体育の時間にドッジボールをして楽しかった」っていう文章になるよね。

 いきなり書き出すんじゃなくて、人と話して考えを整理することで言葉を増やしていくのもひとつの方法かも。お母さんに今日あった出来事を話して、「じゃあもっと楽しかったのはなに?」とか聞いてもらったらゆきちゃんの考えも深まるよね。人に話すのがいやなら、自分が話すことを録音して整理してみるっていうのもできるかもね。

 長い文章って、マラソンに似ているなあ、って思う。よしおはランニングが趣味で、フルマラソンに挑戦したこともあるんだけど、最初から長い距離が走れたわけじゃない。どんな人でも、短い距離と時間からスタートする。走り始めた6年前は、1キロ走るだけで疲れていた。徐々に距離と時間を伸ばして、42キロのフルマラソンも走れるようになったんだ。走る距離を伸ばすように、文章も徐々に長いものが書けるようになるんじゃないかな。

■嫌いなものにも年1回はチャレンジ!

「芸術は模倣から」、つまり「マネする」ことからって言葉があるけど、文章も同じことが言えるのかも。「一行日記を書いているだけじゃなかなか長い文章が書けないよ」って行き詰まったら、他の人の文章をまるごと書き写して勉強してみるのも手だと思う。よしおはやったことないけど、お笑いのコントを作っている芸人さんには、尊敬する芸人さんのコントを見て台本に書き起こすひともいるくらいなんだ。

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