「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は、学校選びについての相談です。

MENU 「この先生がいるからこの学校」ではなく… 校長が1年に複数回替わる学校は注意

安浪:私立中では校長先生の入れ替わりは話題になりますね。

矢萩:改革中の学校では、教師の入れ替わりは少なくありません。中規模校ですと常勤・非常勤合わせて50人から100人くらいの先生がいて、従来型の教科指導をしている中堅からベテランの先生が大多数を占めますが、そうした先生はそれほど大きく入れ替わりません。入れ替わりがあるのは「探究」などの新カリキュラム担当の先生や、校長などの改革担当の先生、そして新任の先生です。だから全体で見たらそんな変わっていないんだけど、どうしても校長や新任の先生、探究担当の先生って入れ替わりが目立つんですよ。

安浪:やはり経営手腕に長けた指導者が校長先生だと、あちこちから声がかかって替わったりしますね。結局、経営とか会社ってシステム作りじゃないですか。自分が抜けても、ちゃんとその学校が回るようにシステムができていれば、その校長が抜けてもそれほど問題はない。でも、そうでない場合もあるので、なかなか難しいですね。

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安浪京子
中学受験専門カウンセラー/算数教育家 安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

矢萩邦彦
中学受験塾塾長 矢萩邦彦

やはぎ・くにひこ/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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