しかし、プロ入りから投げ続けてきた疲労も気になるところ。2020年からは2年続けてリーグ最多のイニング(2021年が193回2/3、2022年は193回)を投げ、オリックス以外でも2021年には侍ジャパンのメンバーとして五輪にも出場している。そういった疲れもあってか、昨年の日本シリーズでは初戦で左わき腹を痛め、途中降板。チームは日本一とはなったが、予定されていた第6戦の先発マウンドは回避した。

「(日本シリーズでの降板は)高校時代の持病だった肘ではなく右ワキ腹だったので誰もが心配した。プロ入り以来、頑張り続けてきた勤続疲労でなかったのであれば良いですが……」(オリックス担当記者)

「大舞台での精神的重圧に加え、勤続疲労もあるのでしょう。一昨年の日本シリーズは東京五輪の影響で11月末までずれ込んだ。オフ期間が短かった中で、昨年もフル回転。身体が悲鳴をあげてもおかしくない」(在阪テレビ局スポーツ担当者)

 今季もシーズン開幕前に開催されるWBCの日本代表にも選ばれており、そこでの肉体的、精神的な疲労も気がかりではある。

「責任感の強い男なので、(昨年の日本シリーズでの降板時は)投げられないほどの厳しい状態だったのだろう。頭の良い投手なので、昨シーズン終了後には徹底的にケアをして強化も図ったはず。しかし国を背負って戦うWBCの負担は想像を絶するはずで、心配は大きい」(在京球団スカウト)

 WBCでは第1回大会から連続で世界一となった日本代表だが、ここ2大会はベスト4止まり。今大会は大谷翔平(エンゼルス)、ダルビッシュ有(パドレス)、日系米国人のラーズ・ヌートバー(カージナルス)らメジャーリーガーを招集するなど本気モード。その中で山本は投手陣の中心としての活躍が期待されている。

「NPBのシーズンも重要だが、世界一になることが野球人にとって最大の目標。まずはWBCに集中して勝って欲しい。故障なく大会を終え、完全に疲労を取った後で(所属チームのオリックスで)貢献して欲しい。それまではチーム一丸となって戦う気持ちを誰もが持っている」(オリックス関係者)

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