毎日、関東以西でサクラ開花のニュースが飛び交った今週。春遅い地域では、サクラより一足早くあんずの花が準備を始めています。

上平展望台からのあんずの里の眺め(写真は2014年のもの・千曲市観光協会提供)
上平展望台からのあんずの里の眺め(写真は2014年のもの・千曲市観光協会提供)
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春遅い長野ではあんずが春を告げる

3月21日に鹿児島・本・愛媛・愛知のサクラ開花の便りをスタートに、サクラ前線が北上を始めています。来週には各地で満開を迎える見込みす。すでに週末はお花見の予定でわくわくしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
甲信越や東北地方では、開花までもう少し時間がかかりそうですが、そんなサクラの訪れが遅い地域では、桜より一足早く春を告げる花があります。「あんず」の花です。
あんずは耐寒性が強いことから、長野県や青森県などの地域で多く植栽されています。あんずの生産量日本一と言われている長野県の中でも、県内生産量第一位を誇る千曲市は「日本一のあんずの里」と呼ばれ、4月上旬~中旬にかけて里山一面が薄紅色に染まります(上記写真)。あんずの花が開花する頃には、このあんずの里で「あんずまつり」(2015年は4月1日から4月19日)が開催され、多くの人で賑わいます。特に上平展望台から見下ろす景色は、あんずの里の大部分を一望することができることから、「一目十万本」と言われるほどの絶景です。思わず、薄紅色の絨毯が広がる景色を想像してしまいますね。

2014年のあんずまつりのようす(千曲市観光協会提供)
2014年のあんずまつりのようす(千曲市観光協会提供)

2015年のあんずの開花予想

開花予想といえば「サクラ」が有名ですが、日本気象協会では、あんずの開花予想もしています。
あんずの開花時期は前年の秋から春にかけての気温が影響すると考えられています。秋から冬にかけての一定期間、低温にさらされた花芽は休眠から目覚め、やがてくる春に備えます。その後、気温の上昇とともに生長し、開花しますが、気温が高いほど花芽の生長が早く、開花が早まります。
この先一週間は全国的に気温が高い日が続く見込みで、長野県でも来週中ごろには20度を超えて5月下旬並みの気温になりそうです。今月中旬も気温が高い日が続いたため、千曲市のあんずの開花は平年よりも6日早い4月1日を予想しています。ちょうどあんずまつりの開催日と同じですね。
写真は、きょうのあんずの里の写真です。まだ蕾ですが、少しほころび始めているのがお分かりいただけるかと思います。
また4月に入ると、いよいよ長野県でも南から桜前線が北上をはじめます。4月6日前後には千曲市のある長野県北部でもサクラが開花しそうで、一気に春がやってきそうです。あんずとサクラを一度に楽しむことができそうですよ。

あんずの里のあんずのつぼみ状態(2015年3月27日撮影)
あんずの里のあんずのつぼみ状態(2015年3月27日撮影)
長野県北部の10日間予報(2015年3月27日17時発表)
長野県北部の10日間予報(2015年3月27日17時発表)

サクラ以外の「春の花」を知って、より長く『お花見』を楽しもう

日本に春を告げる花として代表的な「サクラ」はもちろんですが、一気に花を付け、一気に散る、その美しさゆえ見頃時期も短く、お花見ができる週末チャンスは1度か2度…春を楽しむには、少し物足りないかもしれません。
しかし、「春の花」はサクラだけではありません。今回はあんずの花を紹介しましたが、その他にも春の花には桃やスモモもあり、まさにこれから花のシーズンを迎えるところも多くあります。
それぞれで開花の時期は少しずつ異なるため、それぞれの花のベストな時期を見極めることで、長い期間お花見を楽しむことができます。
ぜひ、週末のお天気と花の開花状況をチェックして、春のお花見計画をしてみてはいかがでしょうか。