公開中のハリウッド映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」日本語吹き替え版で、主要キャストの声を担当した木村佳乃と田中圭。同年代の子どもを持つ父であり母である2人が、仕事と家庭を語った。
【写真】「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」は全世界公開中
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──木村さんと田中さんは、随分昔にドラマで共演したことがあると伺いました。今日は約10年ぶりの再会だそうですね。
田中圭(以下、田中):「業界あるある」ですけど、めちゃくちゃ久々なのに、よくテレビで見ているからか、そんな感じがしないです。
木村佳乃(以下、木村):わかる。私も「おっさんずラブ」見てたよ! 圭くんといえば、初めてドラマで共演したときはいつも眠そうで、椅子があるとすぐ寝ていたのが印象的でした。「昨日遅かったの?」って聞くと、「10時間寝ました」って。等身大で力が入っていなくておもしろい人だなあ、と思っていました。
田中:木村さんは昔よりハキハキしている印象を持ちました。突き抜けて明るくなったような。
木村 年を重ねると怖いものがなくなってくるのかな(笑)。
──ハリウッド版「ゴジラ」の日本語吹き替えでは、動物学者の男性と科学者の元妻の声を担当しています。
田中:僕、実は吹き替えをやるのは初めてだったんです。英語と日本語で言葉も違うし、タイミングが難しいし、台本にト書きもないし、ストーリーも載ってないから勝手が全然わからなくて、苦労しました。
木村:確かに、初めてだと難しいよね。
田中:収録のときに「え!? カイル・チャンドラーの声なの!?」って。自分は34歳なのに、カイル・チャンドラーは50代ですよ。年齢を表現するには音域を変えるしかない。頑張って声を低くすると表現の幅が狭くなったり、芝居に集中すると声が高くなったり。すでに俳優が演じた世界観もあるから、自分の感情をどうしていいかわからない。つらい収録でした。
木村:私の場合は、声をあてたヴェラ・ファーミガと年齢が近いし、好きな女優だったから。ただ、吹き替えは少し特殊で、私たちが演じるというより、本編の俳優の演じたものに声を合わせていく、職人的な作業なのかも。これは慣れだよね。
田中:自分としてはちょっと悔しい思いをしたので、吹き替えはいつかリベンジしたいな。と思いつつ、やっぱり俳優の方がいいな、って(笑)。
木村:そうだよね! 私たちもゴジラと共演したいよ! 映像は本当にすごかったよね。渡辺謙さんのあっと驚く見せ場もあるし。