いきものたちのブラックともいえる厳しい生態やオキテを、脱力系のタッチで紹介する『ブラックないきもの図鑑』(朝日新聞出版)が12月14日に発売された。動物たちが自分の言葉で、厳しい現実を嘆き、その解消策となる格言も示される。ナマケモノの嘆きとは?
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【ブラックないきものからの悩み】
ナマケモノですが…ボクは怠け者じゃありませんから!(オス・8さい・少食)
ボクらは決してダラダラしているわけじゃありません。一切むだな動きをせず、エネルギーの消費を最小限におさえる。これが、ボクらが生き延びるためにたどり着いた結論なんです。
ボクらは、とにかく動きません。動いても1時間に16メートルくらい。50メートル走をしたらゴールまで3時間くらいはかかります。
あと、木から降りません。食事も眠るのも、子どもを産むのも木の上で済ませます。地面に降りるのは7~10日に一回、うんこをするときだけです。
こうした努力の結果、ボクらは1日に葉っぱを8グラム食べれば生きていけるようになりました。しかもそれを約1カ月かけて、ゆっくり消化してるんです。こんなに動かなくても生きていけるって、逆にすごいでしょ?
ただ、たまに葉っぱが消化できずに餓死することはあります。
■こんな風に生きてます
木にぶら下がったまま、とにかく動かないことからナマケモノという名前を付けられてしまったかれら。しかしそのおかげで、とても少ない食べ物でも生きていけます。一説には、同じ大きさのほかのほ乳類と比べて、わずか10%のエネルギーで生きていけるとか。ただ、敵から逃げるなど激しく動くと、エネルギーが切れて死ぬこともあるようです。
■お悩み解消格言
万事は辛抱強く待っている者のところにやってくる。(ロングフェロー/詩人)
(文/ラポリ)