夭折した小林麻央さんは最期まで子どもたちへ思いを残していた。重い病を患う親を幼い心はどのように感じるのか。家族、学校、周囲の大人は、何ができるのか。
フリーアナウンサーの小林麻央さんが乳がんのため世を去ってから10日余り。享年34、長女の麗禾ちゃん(5)、長男の勸玄くん(4)を残しての旅立ちだった。
麻央さんの夫、市川海老蔵さん(39)のブログには、母亡き後の子どもたちの様子が日々つづられている。
「子供達は明るく振舞ってくれます。相撲とろうよ!パパぁ~と」(24日)
「(勸玄くんが)ママが旅立ってから毎日 花をいけてます。なんか すごいとおもう… そういう事が自然に出来ること」(27日)
「麗禾 昨日幼稚園で みんな知ってたので、辛かったらしい、そうだよね、そうだよね、…でも それでも 行くという娘の強さに涙する朝です…」(29日)
大人の想像以上に敏感に様々なことを感じとり、影響を受けやすい子どもの心。どうケアしていけばよいのか。
●周囲の人がケアを
北里大学看護学部の小島ひで子教授によると、発達段階や環境などによって異なるものの、就学前の場合、まだ具体的に親の病などについて、完全には理解できていないことも多い。死別を経験しても死が永続的に続くということがまだ理解できず、「また生き返る」といった感覚を持つ子もいる。
また、大泣きした数分後に駆け回って遊ぶといった断続的に悲しみを感じるケースが多く、普段は明るくても、運動会や授業参観などといったイベントをきっかけに悲しむ気持ちが大きくなる子も見られるという。一見元気そうに見えても、周囲が気遣い、継続的に見守っていくことが重要だ。
小島教授はこう指摘する。
「子どもは残された親に気を使い、自分の悲しい気持ちを抑えつけてしまうことも。配偶者は心に余裕がない場合もあるので、祖父母や医療従事者など子どもとのかかわりが深い人がケアしてあげることが大切です」