2017年2月22日(日本時間23日)、地球から39光年(約370兆キロメートル)離れた場所に、地球とよく似た岩石惑星が発見されたというニュースがNASAから発表された。今後、地球外生命体などの存在などは、確認されるのだろうか。東京工業大学地球生命研究所教授の井田茂氏に、ご意見を伺った。
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NASAの発表は、日本人からすると大げさだが、欧米の文化的背景を考えるとあの興奮になるのでしょう。私の在籍する研究所の欧米系研究者も「生命を持つ地球がもう一つ?」と興味津々でした。
地球外生命については、キリスト教文化に基づいて、カントの時代から論争があります。人間の他に知的生命がいたら、それを統べているのもわれわれと同じ神のはずだ……では、どんな生命なのだと欧米人は考えるのでしょう。
多くの太陽系外惑星の発見で、地球、あるいは太陽系は特別だと考える必然性はもはやありません。宇宙のあちこちに水のある惑星があって、そこには生命も発生しているでしょう。まったく違う環境にどのような生命が進化しているか、すぐに想像はできませんが、技術革新とともに証拠を得る方法は出てきます。
光を利用する生命があれば、証拠は惑星からの反射光で、つまり高性能の望遠鏡で観測できる。日本がハワイに計画中の口径30メートルの望遠鏡TMT、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などで、ターゲットが見つかるといいなぁ。
※AERA 2017年3月27日号