「新聞やネットで見つけた大学や教育関連のニュースなどもどんどんアップして共有します」(加藤さん)
最新のアプリを駆使する職場がある一方で、スマホにほとんど頼らない課長もいる。
意外にもアナログなのはヤフーの長谷川琢也さん(39)。重要な情報源は「人のうわさ」だ。
港へ行って漁師から直接「こないだの台風でカキが落ちちゃった」「明日はサンマの初水揚げだよ」などの話を聞いてくる。そして、東京と毎朝行うテレビ会議で報告する。遠隔で構成するチームだからこそ、リアルな声、情報の温度感まで共有できる。これが、一体感を保つ秘訣なのかもしれない。
市場の動向や世の中を定点観測するという意味では、新聞も根強く支持されている。
三井不動産の小川将さん(47)は、日経、読売、朝日の3紙をチェック。ヤフー長谷川さんの河北新報と石巻日日新聞、広島県庁の大濱清さん(51)、大内貞夫さん(54)の中国新聞など、ローカル紙もその土地でのビジネスに欠かせない情報源だ。
●必ず電話でフォロー
Sansanのシニアマネジャー、芳賀諭史さん(37)の情報収集のコツは、「基本的なものを、毎日継続してきちんとチェックする」ことだという。
「以前は新聞各紙を読み比べたりしていましたが、情報が多すぎると深みがなくなる。情報は絞り、継続してウォッチするという王道のやり方に戻りました。仕事に関係するIT関連の情報のほか、最近はAI関連のニュースもチェックしています」
よく使うのは日本経済新聞のアプリ。紙で読むと自分が興味のないニュースも目に入ってくるため、アプリを使って欲しいニュースだけを読むようにしている。営業先の企業に関するニュースを事前にチェックすることも欠かさない。
「事前に『ちょっと』でも調べられるかどうかで、仕事の進み方に大きな差がつくと思います」
育休中の妻、明恵さん(35)は、参考になりそうな日経新聞の記事を切り抜いて、毎日、芳賀さんに渡してくれる。
「名前をもじって『アキュレーション』と呼んでいます。頼りにしています」
業務に直結する重要な情報が行き交う主戦場といえば、やはりメールだろう。刻々と埋まっていく受信ボックスの中で重要な情報を逃さないための工夫も、それぞれがしているようだ。
芳賀さんは、少々事務的になっても、「記述のわかりやすさ」と「レスポンスの速さ」を重視。
「『Re:』が続くうちにメールの内容が変わることがありますよね。そんな時は、タイトルを変えて冒頭に【改題】とつけます」
USJの津野さんも、メールはなるべく簡潔に、要件を明確に書く。ただ、
「そこに至った過程や詳細は、後で電話で話すようにしています。メールだけで仕事が終わったと勘違いしてはいけない」