情報収集の作法次第で、仕事の成果も大きく変わる (※写真はイメージ)
情報収集の作法次第で、仕事の成果も大きく変わる (※写真はイメージ)
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 現代は情報過多の時代だ。日々舞い込む大量の情報の中から、何を拾い、何を切り捨てるのか。それ次第で、仕事の成果が変わってくる。

 現場の最前線にいる課長にとって、顧客の声をなるべく早くキャッチして業務の改善につなげることは日々の課題だ。そこで武器になるのが「エゴサーチ」。自社名やサービス名を検索して、どう評価されているのかを探る。

 近畿大学広報課長の加藤公代さん(46)のエゴサーチ・ツールは、ツイッターやフェイスブックの書き込みをチェックできるヤフーのアプリ「リアルタイム検索」。大学名を入れて検索すれば、大学の評判がわかるのはもちろん、大学に通う学生のつぶやきも拾うことができる。「窓口の対応が遅い」といったつぶやきがあれば、それに素早く対応する。

●情報の温度感も共有

 USJでホラーのイベントやアトラクションを担当する津野庄一郎さん(46)のエゴサーチも、おもにツイッターを利用する。自分のショーのタイトルで検索して感想をチェック。「面白かった」「最高だった」という書き込みは話半分にしておいて、ネガティブな反応こそ、全力で受け止める。

「ツイッターにネガティブなことを書き込むって、よっぽどでしょうから、きちんと向き合わないと。実際に、コメントをもとに改良もしています」(津野さん)

 例えば、ゲストがロープを持って入る迷路。「ロープが短くて隣の人とぶつかるから内容に集中できなかった」という投稿があり、すぐに長さを変えた。

「ホラー」というワードで検索して、ショーのメインターゲットとなる20~40代の女性たちの消費動向もウォッチしている。イベントの感想を見ていると、男性は「怖かった」だけの人が多いが、女性は「内臓エグかった」などといったコメントとともに、イベントで使った内臓の画像もアップしていたりする。

「グロテスクなものは女性のほうが平気みたいです。もっと激しいものを作ってもいいのかな、などと見極めるのにも役立ちます」(津野さん)

 社内での情報共有に関してはどうか。メールだけでなくソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の活用が、やはりだいぶ広まっている。

 近畿大学広報部では、仕事の報告やポスターに載せる文言の相談など、部内でのやりとりにもSNSを活用する。

 これまではLINEを使っていたが、「プライベートでもLINEを使うので、区別したい」と、今年からビジネス用SNSのSlack(スラック)に切り替えた。

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