セラピストKIOさん(39)最近、友人たちから「出会った頃は本当に友達になれるかなと思っていた」というカミングアウトが続いた。外資系金融機関に勤めていたときはそれほどキツイ顔だったとかLeiCHerish http://leicherish-gr.com 完全予約制(撮影/写真部・加藤夏子)
セラピスト
KIO
さん(39)
最近、友人たちから「出会った頃は本当に友達になれるかなと思っていた」というカミングアウトが続いた。外資系金融機関に勤めていたときはそれほどキツイ顔だったとか
LeiCHerish http://leicherish-gr.com 完全予約制
(撮影/写真部・加藤夏子)
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 働く女性のなかには、マッサージに癒しを求める人も多いのでは。マッサージ師の背景を探ると、元バリキャリ女性が、いまは癒やす側に回っているケースも多い。そんな“女を癒やす女”を訪ねた。

 セラピストのKIOさん(39)は、2014年4月に東京・代々木上原でヒーリングサロン「LeiCHerish」をオープンした。ハワイに伝わる伝統的マッサージ「ロミロミ」や、自然治癒力を高めるというヒーリング、瞑想を駆使して疲れた女性たちを癒やしている。

「『そんなに疲れていません』という人でも、体を触るとガチガチですごく疲れている。自分の体をわかっていない人が多い。無理している自分に気づいてほしい」

 そう言うKIOさんだが、自身ももともとは、企業で忙しく働き、疲れ切っていた。

 新卒で入社したのは、アパレル関連の商社。会社で初めての女性営業総合職だったため、「男になろう」と決心した。6年間猛烈に働いた後、カナダへ1年留学し、米国系の信託銀行へ。秘書の後、リスク管理部門に異動した。日本と米国の法律の違いを学び、個人情報やITセキュリティーなどを管理する緊張を強いられる仕事をした。同僚のイライラも伝染。ストレスが募り、肝臓や腎臓に不調が表れるようになった。そんな体調を整えるため、サロン通いを始めた。

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