オンラインで知り合って結婚した夫婦はそうでない夫婦に比べて離婚が少ない──。昨年、米国シカゴ大学の研究チームが約2万人を対象にした調査でそんな結果を出した。本当のところはどうなのだろうか。

 ネット婚活では「なりすまし」や「嘘」が心配になる。実際、ネットで出会い結婚に至った夫婦に取材したところ、彼らに関しては「ほとんど問題なし」。結婚に真面目であればプロフィルの書き込みも多く、メールでやり取りを繰り返すうちに人となりが見えてくるという。

「本当に信頼できるまでは会社名も言いません。男性は言わないと不利ですが、女性は個人情報を開示する必要はない。私は写真のある人しか会いませんでした。真面目な人は古い写真を出さない。合コンなどの出会いはゼロからのスタートですが、ネット婚は違う」(ネット婚した会社員のアヤさん)

 結婚3年。公園でピクニックをし、ワインを飲みながらしみじみ幸せを感じるという。

「何でもないことを分かち合える。今の穏やかな生活にとっても満足しています」

 インターネットが一般に普及しネット婚が注目されるようになってから10年程度。日本でも離婚が少ないかどうかは様子を見る必要があるだろう。

 ただ、こんな実例がある。パソコン通信時代に結婚した1児の母でライターのユキコさん(45)は、今年の1月1日に結婚14年を迎えた。チャットやオフ会を通して交際に発展。結婚を決めたのは、映画という共通の趣味が大きかったと振り返る。

「今も仲良くていいよねとか会話があるよねと言われます。映画はよく一緒に見ますね。ただ映画の趣味は違うので、互いに突っ込み合っています。夫婦で漫画も大好き。結婚前に『マカロニほうれん荘』を語って引かれない男性は彼だけでした」

 そんな話を聞くと、ネット婚は幸せで長持ち、と信じたくなる。(文中カタカナ名は仮名)

AERA 2014年2月17日号より抜粋

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