海外向け一部車種に搭載し、日本では未設定だった最新の3リッターV6ツインターボエンジンをガソリン車に搭載した。スカイライン史上で最高の400馬力となる「400R」もラインアップした。
スカイラインは1957年に富士精密工業(後のプリンス自動車)が生産を開始し、66年に日産がプリンス自動車を吸収合併した。最近は米国市場を意識して、2014年から日産の高級ブランド「インフィニティ」のバッジを付けていたこともあったが、19年から日産バッジに戻った。最低価格は税抜き395.8万円。
スカイラインについて、五味さんは「400Rで運動性能も突き詰めた」と評価する一方、今回はマイナーチェンジと指摘。
「プラットフォーム(車台)を切り替える時期。ここ数年の技術進化は速く、多くのメーカーが入れ替えて車両性能を向上させています。スカイラインもフルモデルチェンジすると、もっと乗り味が良くなるでしょう」
ホンダは軽自動車「N360」が1967年に軽自動車販売で首位に立った後、軽に続く小型車市場で足場を築くため、72年に発売したのが「シビック」だ。「あらゆる人々の車」「世界市民のベーシックカー」を標榜し、世界販売を狙って開発された。
8代目を最後に2010年に国内向け生産を終了した。それから7年。17年9月に10代目を再び日本でも発売した。上質な走りを目指すセダンと、スポーティーなハッチバックには1.5リッターのターボエンジンを、スポーツ性能を大幅に向上させたタイプRには2リッターのターボエンジンを搭載した。
シビックについて、国沢さんはこうみる。
「昔のシビックは小さくて買いやすかったのですが、今は大きくて燃費もあまり良くありません。いったん米国市場にいってしまった車で、日本人のイメージとは違うという感じがします。多く売るのは厳しいのではないでしょうか」
五味さんは「ホンダの販売体制や販売力が伴っていないのではないでしょうか。日本での販売をいったん手放してしまっており、お客さんは簡単には戻ってきません」と指摘しつつ、こう評価する。
「ホンダらしい車で、走りも裏切らない」
ホンダは20年1月にマイナーチェンジしたシビックを発売する。
各社が往年の「名車」で国内販売の底上げを図る狙いのようだ。(本誌・浅井秀樹)
※週刊朝日 2020年1月17日号