作家・室井佑月氏は、2019年末に報じられたジャーナリスト・伊藤詩織さんの民事訴訟勝訴などをテーマに今年の安倍政権に注文を出す。
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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
といってもこのコラムを書いているのは、2019年の12月18日。新年1発目のコラムくらい明るいものにしたいと考えていたら、とても嬉しいニュースが舞い込んできたわ。
「ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者のジャーナリスト・山口敬之さんから性暴力被害にあったとして、慰謝料など1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12月18日、東京地裁であり、鈴木昭洋裁判長は330万円の支払いを命じた」「地裁では、伊藤さんの記者会見での発言などで名誉を毀損されたとして、山口さんが伊藤さんに1億3000万円の損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟も併合して審理されたが、山口さんの反訴は棄却された」(18日、弁護士ドットコムより)
山口敬之氏といえば、テレビでは安倍首相にとても近いということがウリの論客で、『総理』という本を出したことでも有名だ。
そうそう山口氏は、助成金詐欺のペジーコンピューティング社の顧問もしておった。ペジー社の関連会社は、「新エネルギー・産業技術総合開発機構」から約40億円の助成金、文部科学省関連の「科学技術振興機構」から60億円弱の無利子融資を受けており、総額は100億円にも及んだといわれている。そんな会社の顧問を引き受け、月額200万円をもらい、月額200万円もの高級ホテルを借りてもらっていたとされる。なぜならば、逮捕されたペジー社の当時の斉藤元章社長と官邸との間をつないだのは、山口氏だから。
レイプについては、詩織さんが警察に訴え、捜査を進めた所轄は逮捕状をとり、成田空港で山口氏を逮捕しようとしていた。しかし、突然そこに上層部から「逮捕取りやめ」の連絡があった。この判断を出したのは警視庁の中村格氏(当時・刑事部長)。