――一連の報道での二人のチームワークはどのようなものだったのですか。

J:ミーガンも私も過去にかなり大きな事件に取り組んだ経験があり、強力な権力者をも相手にしてきた。たとえば本件ではハーヴェイの片腕のラニー・デイヴィスなど。私の場合、被害に遭った女性の、身震いするような話に注意深く耳を傾ける作業が多かった。この事件は、記者として、勇敢さと繊細さ、両方が必要とされた。過酷な経験談を聞き出す場合、信頼を得るためにも正直でひたむきな姿勢が大切だ。それは記者として必須の資質だと感じる。

――イメージ重視のハリウッド関係者の取材は、いつもとは違った大変さがあったのでは。

J:エージェントを通すような取材方式をできる限り回避しようと努めた。直接その俳優にアクセスすることが重要だと感じた。それでプライベートの電話番号やメールアドレスなどを入手しようと親類にメモを渡したり、知り合いの知り合いを探したりする必要があった。私は芸能記者ではないので映画界の関係者を知らなかったから、コネクションを一から構築しなければならなかった。俳優に直接電話すれば驚かせてしまうし、私的な質問をすることも難しかった。コンタクトは最初の45秒間が勝負だ。相手の信頼を得る言葉を繰り出さねばならない。自分自身が俳優になって話しているような気持ちだった。そうして心を開いてくれたのが、ローズ・マクガワンであり、アシュレイ・ジャッドであり、グウィネス・パルトローだった。

――一番大変だと感じた瞬間は?

J:公の場で発言してくれた女性たちに二次被害が及んだらどうしようという不安に掻き立てられた。それが彼女たちにとって最大の恐怖だった。にもかかわらず、私たちの取材に応じてくれた女性たちに感謝している。非常に勇敢な行動だった。

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露骨な脅しが使命感を燃えさせた