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「#MeToo」運動を大きなうねりにつなげた米ニューヨーク・タイムズのワインスタイン事件報道。その経緯を追った映画「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」が公開される。主人公たちのモデルになった2人の記者に話を聞いた。

 著名な米映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが逮捕されたのは、2017年10月5日、ニューヨーク・タイムズの告発記事がきっかけだった。報道を機に、それまで性的暴行や嫌がらせ被害に口を閉ざすしかなかった大勢の女性たちが、公にその体験を語り始めたからだ。

 本件を担当したのが、ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターの二人の記者だ。幼い子供を抱えながら使命に燃え、職務を果たし、記事が世に出るまでを本作は追う。

 告発記事は高く評価され、一連の記事は18年、ピューリッツアー賞を受賞した。「大統領の陰謀」(1976年)や「スポットライト 世紀のスクープ」(2015年)などにも引けを取らない記者の執念を、スクリーンに焼き付けている。

――自分自身がキャラクターとして登場する映画を観た感想は?

ジョディ・カンター(以下J):全く言葉も出ないような驚きの体験だった。そもそも映画プロデューサーを調査することから始まって、結果的に自分たちが映画の登場人物となってしまったから。この映画は、ジャーナリズムの醍醐味を描いただけでなく、情報を提供してくれた人達の尊厳にも触れている。彼らが世界に与えた影響についても。完成した映画に私たちも心を動かされたばかりでなく、告発が人々の記憶に残るであろうことは光栄だ。観終わった後に勇気が湧いてくるような映画でああってほしい。

――映画は私生活も描きますが、その点はどんな気持ちですか。

ミーガン・トゥーイー(以下M):私にとってあのころは、人生の最も難しい時期で、産後うつを患っていた。それについて(演者の)キャリー(・マリガン)と時間をかけて話し合った。彼女も同様に出産後のうつを体験していて、私のことを理解してくれたので、私生活を公表する事に対する不安も消えた。それらのシーンが多くの女性、子育てしながら働いている女性が深く共感できるものである点でも重要だと思う。

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懸念された女性たちへの二次被害