この翌日、台風が来た。また多くの人が亡くなり、多くの人が生活を奪われ、多くの人が絶望の淵に立たされている。絶望の淵に立たされても、未来が見えればそこは本当の絶望ではない。でも、原発事故後の処理や、アメリカからの武器の大量輸入などで金のない日本が、もはや古い電柱をなおす余力すらなくなっていることを、自然災害の度に突きつけられている今、未来が見えない。
東日本大震災のとき、辻元さんは首相補佐官に就任し、ボランティア担当になられた。被災地のプライバシーが大切だと、すぐに4万枚のパーテーションを避難所にも送られている。残念ながら、多くの避難所がパーテーションを放置したままで、そしていまだに日本の避難所は、全く仕切りのない寒い体育館に人々が「放置」されている状況だ。
人の命が軽い。言葉が軽い。本当のことを言うのは誰か。ウソをついているのは誰か。本当に働いているのは誰か。
自然災害から逃れられないのであれば、せめて政治家を変えたい。
※週刊朝日 2019年11月1日号