彼とは年齢もそんなに離れてなくて、いろんなところで顔を合わせたりすることがあったので、なんて言ったらいいんですかねえ。自分の気持ちにまっすぐすぎたんですかね。ある意味では器用に、ある意味では自分の気持ち一本でというところから、後者に寄ってしまったのかなと。でも本人が決めたことですし、とくに角界の最高位である横綱までいった人の決断ですから、もうこれは尊重するしかないのかなと。
僕は相撲協会のおっしゃってることも親方の言ってることも、どちらが真実なのかわからなくて、「ああそうなんだな」と聞き受けるしかないっていうか。ただ一つ言えるのは、歴史に残る人を失ったってこと。非常に残念ですね。お兄さんの若ちゃんだけでなく、貴ちゃんも相撲協会からいなくなっちゃう。未来の相撲界にとっては、いいニュースではないですよ。
ちょうどいま相撲協会の理事をやられてる方は、我々が相撲人気の中で見てきた親しみのある人たちですから、ほとんどの方と面識があるんですよ。会うとみなさんすごくいい人だし、なんかこう、うまくね、みんなで話し合えなかったのかなという気はしますね。
※週刊朝日 2018年10月19日号
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