医療界の人たちは、「女性の比率が調整されることは暗黙の了解、受験生もわかってるはず。だから女は人一倍頑張るし、女医は優秀なんだ」と言いたがる。当事者からすれば、女性の点数が操作されているなんて考えたこともなかった。女性比率が極端に低い大学の受験は女は物理が苦手だから……という迷信をむりやり納得して……というか納得するしかない気持ちで勉強してきたのだ。

 当事者の声が集まりつつある。東京医大だけでなく、他大学で受けた面接についても声をあげている方がいる。面接で、結婚したらどうする? 妊娠したら? ということを女性受験生は聞かれることがあるという。いつの時代の話だよ。

 ブラックボックスは開いた。相撲協会からふつーのまともな医療界に向けて。日本社会全ての人が、当事者なのだ。

週刊朝日  2018年8月31日号

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