習近平永久政権の誕生は日本にどんな影響をもたらすのか…(c)朝日新聞社
習近平永久政権の誕生は日本にどんな影響をもたらすのか…(c)朝日新聞社
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 中国の第13期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が5日、北京の人民大会堂で開幕した。中国はいよいよ、習近平永久政権へと進むことになる。

 現行では習国家主席の任期は2期目の2023年までだが、会期中には国家主席の任期撤廃を柱とする憲法改正案も採決する。

 改憲案が通過するのは、ほぼ間違いないとみられ、そうなると、習国家主席は続けたい限りいつまでも、トップに君臨でき、一段と権力集中が進む。

 李首相は5日の演説で「習氏を核心とする党中央の力強い指導」の必要性を繰り返した。

 中国には毛沢東時代の苦い経験がある。毛沢東は権力にしがみつき、文化大革命などで国内を大混乱に陥れた。その反省から、現在の中国では国家主席の任期を定め、最高指導部の政治局常務委員(7人)を中心とした集団統治制を行っている。

 一人の権力者による統治となると、どうしても毛沢東を想起し、暗黒時代への逆戻りを思い起こさせてしまう。中国のSNS上では、車をバックさせる動画が大量に投稿されたが、逆戻りに対する皮肉と思われる。また、20世紀初頭に一時、帝政を復活させた袁世凱に擬えた投稿もあった。しかし、インターネット検閲の厳しいこともあり、すぐに次々と削除されていった。

 中国に詳しいジャーナリストの野嶋剛さんは、今回の憲法改正案をこう解説する。
「昨年10月の中国共産党大会で、自分の後継者となる人物を指導部に入れなかった時点で、この事態は予想されていました」

 習国家主席が絶対的な権力にこだわる背景をこう分析する。

「中国の権力概念には『天命』が重要とされます。権力は天が与えたもので、庶民は天が選んだ人物を信じる。その天命が何かというと、一つは血統。皇帝の一族とかといったもの。もう一つが、建国の立役者。いわゆる革命の功労者です。習近平はその両方とも無い。現在の制度上では、トップにいても、突然引きずり下ろされる可能性がある。そこで絶対的な権力がどうしても必要なのです」

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