週刊朝日2月16日号 表紙の吉沢亮さん(撮影/馬場道浩)
週刊朝日2月16日号 表紙の吉沢亮さん(撮影/馬場道浩)
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 撮影中、「美しい……」という感嘆の言葉が、何度もスタッフから漏れた。吉沢亮さんは今年すでに6本の出演映画がある注目の存在。どこか神秘的で中性的な魅力は、映画「リバーズ・エッジ」で演じた山田一郎のイメージそのままにも思える。壮絶ないじめを受け、河原で見つけた死体を心のよりどころにするという役柄だ。

「セリフや芝居ではなく、存在感やたたずまいで見せなくてはいけない。今までで一番難しい役かもしれません。現場でもずっと悩んでいました」

 一方で、山田の気持ちには自然に入り込めたという。

「彼は周りからは神秘的な存在に見える。けれど、いじめを受けていること、ゲイであるために好きな人との恋が実らないことを、諦めて受け入れようとしている。それはすごく弱い、ごく普通の男の子だからだと思いました」

 山田の繊細な魅力、自身に通じるものはありますか?と尋ねると、「どうでしょう? でも、僕も内面はけっこう繊細な男の子だと思います」と笑顔を見せた。(本誌・野村美絵)

週刊朝日 2018年2月16日号