理事会にのぞむ貴乃花親方(右)と八角理事長(左)(c)朝日新聞社
理事会にのぞむ貴乃花親方(右)と八角理事長(左)(c)朝日新聞社

 元横綱の日馬富士による貴ノ岩(貴乃花部屋)への暴行問題で、日本相撲協会は20日、臨時理事会を開き、巡業部長として暴行があった事実を知りながら協会に報告を怠っていた貴乃花親方への処分について議論したが、結論がでず、持ち越しとなった。28日に改めて臨時理事会を開く。一方、元日馬富士の師匠だった伊勢ケ浜親方は理事辞任、白鵬、鶴竜両横綱は減給処分となった。白鵬は1月の給料を全額不支給、2月は50%カット。鶴竜1月は全額不支給となった。

 同日午前には横綱審議委員会(北村正任委員長)の臨時会合があり、暴行現場に居合わせた白鵬、鶴竜の両横綱に対し、「厳重に注意すべきと、(協会に)進言をする」との意見をまとめていた。

 また、協会が要請した貴ノ岩の聴取に対し、非協力的な態度を取り続けている貴乃花親方には、「非難に値する」と厳しい声が出ていることを明らかにしていた。貴乃花部屋の関係者がこういう。

「貴乃花親方は暴行現場にいた力士、とりわけ白鵬は共犯だと思っている。止めなかった責任を追及して、日馬富士もあわせて民事訴訟、損害賠償をもとめることも視野に入れているそうです。力士らは協会に暴力が起こった時は止める、親方に報告することなどを誓った誓約書を協会に出さねばならず、白鵬、鶴竜らはこれに違反したと訴えるというのです。さらに自身に処分が及び、来年2月の理事選に出馬できないような事態になれば、仮処分申請などで法廷闘争も辞さない構えだ。万一、そうなった場合、貴乃花一門の別の親方を理事選に出すこともあり得る」

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休場が続く貴ノ岩も…