日馬富士暴行事件を巡って22日、日本相撲協会役員室に呼び出され、弟子の貴ノ岩への聴取協力を要請されたにも関わらず、「お断りします」ときっぱり拒否した貴乃花親方(元横綱)。
八角理事長(元横綱・北勝海)率いる日本相撲協会と決裂した格好だが、その真意は何なのか。
報道陣の取材に頑なに沈黙する貴乃花親方だが、その有力後援者がこう代弁した。
「貴乃花親方、貴ノ岩は被害者なのに、ここまで批判されるのは、的外れだと思います。ビール瓶か、手で殴ったのかは別にして、実際に暴行があったのは事実じゃないですか。天下の横綱日馬富士が後輩に暴行した事実はとても重いですよ。今回、貴乃花親方が貴ノ岩にモンゴル力士の飲み会に行くのをOKしたのは、貴ノ岩の母校、城北高校の関係者からの誘いがあり、行かなきゃ失礼だと了承したのです。だから白鵬、日馬富士だけでなくたくさんのモンゴル力士が集うということは想定していなかった。そりゃ、城北高校OBの逸ノ城や照ノ富士ぐらいが来るのだろうと思っていたようだ」
この後援者によると、貴乃花親方が日馬富士の暴行を知ったのは、10月26日午前だったという。そして貴乃花親方がすぐ伊勢ケ浜親方に連絡を取ったところ、日馬富士は殴った事実関係を認め、謝罪があったという。
「伊勢ケ浜親方から穏便に示談で和解できないか、という趣旨の話を持ちかけられたそうです。だが、貴ノ岩の頭は切れて、流血していた。貴乃花親方は伊勢ケ浜親方が暴行を軽く見ているように感じたそうで、弁護士らと相談する一方、他の同席した関係者にも事情を聞いた上で、貴ノ岩を帯同して鳥取まで出向き、被害届を出したそうです。貴乃花親方は当初、九州場所がはじまるまでに相撲協会が伊勢ケ浜親方、日馬富士から事実関係を調査し、何らかの処分を公表してくれると願っていた。しかし、伊勢ケ浜親方からはその後、アプローチもなく九州場所に日馬富士は何事もなかったように出場していた。『こちらがやられているのに、何も言ってこない』と貴乃花親方はかなり不満だったようだ」(同前)
日本相撲協会は14日、暴行が発覚した日馬富士の九州場所休場について頑なに「左腕の負傷によるもので、問題を受けての謹慎ではない。あくまで診断書が出ての休場であり、罰ではない」などと説明した。