関東の大手私鉄に、大学のキャンパス移転の影響が広がっている。小田急電鉄の定期券利用者の運輸収入(2017年度上半期)は、通勤が前年比1.6%増に対し、通学は0.1%減だった。小田急は「大学の都心移転がマイナスに作用した」とみる。東武、西武、京王も通勤が前年比1~2%増に対し、通学は前年割れか横ばいだった。
各社ともに、通勤定期の運輸収入(2017年4~9月)は、雇用の改善で安定して伸びている。対照的に、2年連続のマイナスか横ばいとなったのが通学定期(表参照)。少子化の影響もあるが、各社が近年強く意識するのは大学のキャンパス移転による影響だ。
2017年4~9月期中間決算発表の場でも、通学定期について、「大学の都心移転がマイナスに作用」(小田急)、「大妻女子大や杏林大がキャンパスを移転した」(京王)、「大学の都心回帰の影響がある」(東武)などと、大学生の利用への言及が相次いだ。
小田急の唐木田駅徒歩5分の場所には、大妻女子大の多摩キャンパス(東京都多摩市)がある。同大は16~17年度にかけて、比較文化学部と社会情報学部を千代田キャンパス(東京都千代田区)に移転中だ。