小池氏:「では、横田さんもう一回いきますか」

横田氏:「繰り返しになりますが、前原代表が昨日発言した『公認申請すれば排除されない』ということについて(中略)前原代表をダマしたのでしょうか。共謀して、リベラル派大量虐殺とも言われているんですが……」

 ここで小池氏が「音声入ってないの?」と質問を遮った。

 横田氏のテーブルに備え付けられたマイクが作動していなかったためだ。

 横田氏が「最初から(言いますか)?」と応じると、報道陣の複数の席からは、あからさまな笑い声が漏れた。

 横田氏の質問の表現が過激だったことや、前述の定例会見時から知事とのやり取りがかみ合っていなかったことなどもあったのか、会見室には小池氏を追及するのではなく〝空気を読まない〟質問をする横田氏を嘲笑するかのような、弛緩した空気が充満していた。

 小池氏も上機嫌で笑っていた。

 小池氏が〝運命の一言〟を放ったのは、まさにこの瞬間だった。

小池氏:「わかりました、お答えします。前原代表がどういう表現をされたか承知をいたしておりませんけれども、排除をされないということは、ございませんで、排除いたします」
 
 油断から思わず出たホンネだったのか。結果的には〝笑いごと〟では済まない発言となったのである。

 横田氏がこう振り返る。

「小池氏には、会見場は自分のフィールドだという油断があったのかもしれませんね。結果的に小池氏のホンネが早い段階でハッキリしたことで、枝野幸男氏らの立憲民主党の結党が公示前に間に合ったのは良かったのかもしれません」

 メディア戦術に長けた勝負師が見せた、一瞬の油断だった。(本誌・小泉耕平)

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