街頭演説を聴いていた高校生は「捜査上ということもあるんでしょうが、話せる範囲で『音声』についても語って欲しかった」と話す。

 本人に勝算を直撃すると、「いやいや、そんな。私はもう自分は自分でがんばるだけです」

 市民から厳しい言葉はないかと問うと、「直接おっしゃる方が実はあんまりいらっしゃらない。自分でも驚いています。でも、楽観視しているわけではありません」とも。

 流出した音声について質問すると、「宮根(誠司)さんのインタビューをごらんになっていただけましたか?」と逆質問された。

「見ました」と記者が答えると、「あそこでも申し上げた通り、けっしてふざけているという意味ではなくて、仕事上、ものすごいトラブルが続出しまして、ほんとに恐怖でございました。ああいう形になってしまったということです」と説明。

 流出した音声の中にはミュージカル調の罵声もあったが、音楽が好きなんですかと再度、質問すると、それまでにこやかかった豊田氏の表情が一転し、キッと厳しい顔に早変わりした。

「選挙中にネガティブなことを書かれると、選挙妨害だと思うので。私もちょっとそこは弁護士に対応をやらせていただきたいと思います」
 
「弁護士」という言葉に、記者がうろたえると、豊田氏はすぐ手をさし出してきた。思わず、その手を記者が握り返し、握手すると豊田氏はこう言った。

「あくまでも公平にやっていただきたいと思います。父はずっと週刊朝日を定期購読してましたので、表紙の女子大生なんとかの頃からずっと読んでおりました。お手やわらかにお願いします。今日はどうもありがとうございました」

 埼玉4区は自民党から元志木市議の穂坂泰氏(43) 、希望の党から埼玉県議を4期務めた吉田芳朝氏(43)、日本維新の会から元国連職員の青柳仁士氏(38)、共産党から新座市議10期の朝賀英義氏(67)が出馬する激戦区だ。

 自民、希望が優勢とされるが、豊田氏は浮動票を取り込めるのか。(本誌・上田耕司)

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