閣僚経験者は本誌に「自民党が圧勝した過去2回と比べて厳しいことは間違いない。野党の動きはなんとも言いようがない」と述べた。
官邸と自民党では安倍退陣を前提とした対処法が早くも協議され始めたという。
予測された数字通りであれば、公明党(現有35議席)とあわせ、与党単独過半数を割れとなる。そうなれば、政権交代が現実のものとなるが、小池都知事は今のところ(3日現在)、メディア各社のインタビューでは出馬を否定している。
「与党単独過半数微妙なギリギリの数字になった場合の連立をどうするか。小池氏が出馬しない場合、首班指名投票の際に反安倍勢力が石破茂元幹事長で固まり、石破氏に票が流れるのではないか。安倍首相が退陣すれば、周辺は全員干され、党内政治が大きく変わるだろう」(別の自民党幹部)と強い警戒感を抱いている。
政治アナリスト、伊藤惇夫氏はこう分析する。
「小池氏が政権交代を目指すと明言している以上、希望の党が過半数を取った場合、現実問題として希望の総理候補は小池氏以外見当たらない。小池氏の口癖は『イッシュ・アッラー(神の思し召し)』。つまり昨日、言ったこと(出馬しない)と今日は違うということもあり得る」
3日午後にも衆院選で擁立する第1次公認候補者を発表する予定の希望の党。小池氏の動向からいよいよ目が離せなくなった。
いみじくも、自民大惨敗の予測が駆け巡った2日午後、安倍首相は公明党の山口那津男代表と並び、盟友の太田昭宏前代表の地盤である東京・北区で自公共闘をアピールした。
「官邸も情報は共有している」(自民党幹部)というが、その胸中はいかばかりか……。
(本誌・村上新太郎)
※週刊朝日 オンライン限定記事