小池知事と握手する安倍首相(c)朝日新聞社
小池知事と握手する安倍首相(c)朝日新聞社
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 紛糾を重ねた“森友・加計国会”も終わり、天王山の都議選告示(6月23日)まであとわずかだ。安倍自民党は国会での傲慢さがたたり失速。小池百合子東京都知事率いる都民ファーストの会に追い風が吹く。だが、小池氏は“忖度”するかのごとく、なぜか安倍批判を封印。裏に何があるのか。

 自民党東京都連内部には焦燥感が広がっている。

「直近の調査で、自民が37、都ファ(諸派含まず)が43という衝撃的な数字が出た。5月上旬には自民53、都ファ47(諸派含む)で自民有利と出ていましたが、それから毎週、調査のたびに議席が減っています。森友、加計問題のダメージが支持率に響いたかたちでしょう。『民主党に大敗し38議席に終わった2009年の悪夢だけは避けたい。何とか40に乗せたい』というのが今の本音です」(自民党都連幹部)

 このままでは第1党から転落するばかりでなく、宿敵の都ファが公明と合わせて過半数を握ってしまうという、自民にとっては悪夢の展開が待っている。

 当初は安倍晋三首相が自民候補者の応援に駆け回るという触れ込みだったが、ここにきてムードが変わってきているという。

「正直、候補者陣営から安倍総裁演説の要請があまり来ていない。都議選では通例、総裁演説は告示前に済ませることになっていたんですがね。問題の渦中にいる安倍総裁の演説が逆効果にならないか、測りかねる気持ちがあるようです。安倍総裁との2連ポスターもあまり貼られていない」(同)

 ところが、“敵失”で思わぬ追い風が吹いているはずの小池都知事も、どうも歯切れが悪い。15、16日と都ファの候補者の応援演説に都内各地を回ったが、加計学園問題については、

「どこに文書があるかないか、そんなことにならないよう、徹底的に公開していくというのが私たちの一丁目一番地です」

 と、遠回しに短く触れる程度。各候補者の紹介や地域の課題などを丁寧に訴えてはいるが、「都連はブラックボックス」「2兆、3兆って(五輪予算は)豆腐屋ではない」と舌鋒鋭く自民を批判して聴衆を盛り上げた昨年7月の都知事選と比べると、明らかに対決姿勢のボルテージが落ちている。

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