4月17日、音楽、俳優、文筆とマルチな活躍をみせる星野源が、「第9 回伊丹十三賞」贈呈式に出席。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックをした。
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時代の流れに、ついていけない……そう、しょぼくれてるお父さんたち! この人をご覧よ。こう見えて、時代を象徴する存在。今をときめくスターっていえば、この人なんだよ。それにしちゃあ、あまりにも普通すぎだよな。
例えばこの日のファッションだって、昔のスターとまるで違う。チェック柄のタイトなスーツに、極小のピンホールカラーのシャツと極細のネクタイ、足元は九分丈のパンツと、はやりを押さえてはいるが、駅前のメンズショップでさっきそろえましたって感じ。まさに同年代の平均レベルってところだよ。昔のスターなら、一般人とは違う個性的なファッションで、ドヤッと登場したもんなのにさ。
ま、今は、スキのないキメキメ男が、モテない時代だもんね。山手線で座っていても違和感がないようなユルい個性のほうが、今どきのスターの条件ってことなんだろうね。トガってナンボだったあたしの世代とはまるで逆だけどさ、ユルい個性っていうのは、お金で買えないプライスレス。この年になってへんに目指したりせず、あたしは死ぬまで、うるさい個性を貫きます!
※週刊朝日 2017年5月5-12日号