乾燥麹を、ややかために炊いたおかゆ(もち米がおすすめ)と混ぜる。このときに急に入れると熱すぎるため、おかゆをしゃもじでかき回して70度を超えないように冷まし、乾燥麹を混ぜて60度程度になるようにかき回す。
ふたを開けたまま布巾をかけて5~6時間保温する。
甘くなっていれば完成だ。
「30分くらいでデンプンが分解されていきます。炊飯器の中を時々しゃもじでかき混ぜ、50~60度くらいを保っているかを確認してください」
温度が設定できるヨーグルトメーカーや甘酒製造機を使えば、さらに簡単につくれる。冷蔵庫だと1週間ほど、冷凍庫だと1~2カ月ほど保存できる。
手づくりに慣れたら、好きなドリンクや料理へと応用してもいい。是友さんは自著『酵素いきいき生甘酒』(主婦の友社)で、手づくり甘酒(生甘酒)を使ったレシピを紹介している。
たとえば、生甘酒を加えてコクを出すポテトサラダや、豆腐にかけるタレ(甘酒にすりおろし生姜+しょうゆ、甘酒に練りごま+酢じょうゆ)の工夫など。
「生甘酒を飲むだけで酵素やビタミンを手軽に摂取できますが、牛乳や野菜、果物をミックスすれば栄養価もアップする。(生甘酒は)ビタミンB群が多いけれど、ビタミンCが含まれない。それを補うようにすれば、“最強食品”になります」(是友さん)
市販や手づくりの甘酒を、ドレッシングや、肉・魚料理の下味などに使うのもおすすめだという。
本をもとに記者が試した料理は、ジンジャー豆腐。新発見の味だった。ただ、記事作成のため、甘酒をこの数週間たらふく飲んでいたら、歯が痛くなってきた。
そのことを是友さんに伝えると、「体によいといっても、糖分ですよ」と注意された。
「がぶ飲みしたら太るし、虫歯もできる。飲んだり食べたりのベストなタイミングは、シャキッと目が覚める朝。血糖値が上がるので、空腹時に何かと一緒にとるのがいいですね」(同)
生甘酒の場合、料理に使う分も含めて1日200ccほどにとどめるとよいようだ。糖尿病など持病がある場合は、あらかじめ医師に相談しておくと安心。
伝統的な元気のもとを上手に食生活に取り入れたい。
※週刊朝日 2017年4月14日号より抜粋