ブレーンの上山氏は、もともと橋下徹前大阪市長のブレーンだった。その橋下氏は1月17日、ツイッターで地下水を飲むわけではない、などと強調。16年8月31日にも、《どうせ移転ということになる築地問題にこれから小池さんが莫大(ばくだい)な労力をかけなければならないのはもったいな過ぎる》とツイートしていた。
一方、少数派だが、築地残留派のブレーンもいる。
「都の市場問題プロジェクトチーム(PT)座長の小島敏郎顧問(青山学院大学教授)は築地残留派の一人です。元環境省の官僚だった小島氏は環境相時代の小池氏の部下で信頼も厚い。地球温暖化対策、クールビズも一緒にやっています。小島氏は市場関係者から聞き取りをした上で、築地存続案を選択肢の一つとしています。側近の音喜多都議、上山特別顧問は豊洲移転やむなし派なのでブレーンの中で少数派だが、小池知事は腹案として移転中止、築地存続を選択肢に残しています」(都政関係者)
小島氏は小池氏が都知事選に立候補し、豊洲移転延期宣言(16年8月31日)をした際にも、市場関係者から聞き取り調査をするなど貢献した。
「希望の塾」を運営する政治団体「都民ファーストの会」は15日、都議選の候補者を選考する委員会を豊島区内のホテルで開き、小池知事と共に小島氏と上山氏の両ブレーンも出席した。都議選の争点になる築地問題の意見統一がなされないまま、候補者選考が進むことになる。
小島、上山両氏に取材を申し込んだが、「個別には取材に応じていない」(小島氏)、「特にコメントする立場にない」(上山氏)。
では、小池知事の本音はどうなのか?
08年に小池知事が出版した共著『東京WOMEN大作戦』の中には興味深い記述があった。
《(築地市場の)現在の場所で建物だけを立て直すのがいちばん妥当と思われる》
その一方、豊洲新市場については《食との関係の薄い分野で活用すればよい》と提案するなど本音は築地存続派と思われる。