
最近は公務で人々の前に姿を現すことも多くなった雅子さま。故・平田暁夫(本名・市瀬静雄)の妻でオートモード平田・代表取締役の市瀬恭子さん(87)が、その素顔を明かした。
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天皇陛下が83歳のお誕生日を迎えた12月23日の一般参賀。皇太子妃雅子さまは、宮殿・長和殿のベランダから、笑顔で手を振って、集まった人びとに応えておられました。水色の帽子とドレスを召されてのご出席です。
喜ばしいことに、最近は雅子さまが公務にお出かけになる機会が増えました。
ご療養に入ったのちは、お洋服もひかえめな色味が多かったのですが、最近は白やブルーなど奇麗な色味をお好みのようです。
皇后さまや皇族方のご衣裳(いしょう)は、帽子を洋服の共布で製作します。雅子さまは、ほとんど新調なさらず、お手持ちのもののお手入れと、少し感じを変えてお召しです。帽子も、「シンプルに」とおっしゃって、お花やレース飾りをつけることはあまりありません。
昭和41年より皇后さまの帽子をお作りしていた故・平田暁夫(本名・市瀬静雄)が雅子さまに、ご説明したことがありました。
「帽子のアクセントにリボンや花をつけると、公務の際でも、人びとの視線が、お顔だけに集中しなくなりますよ」
それを聞かれた雅子さまは即座にこうお答えに。
「あっ、いいですね。そうしてください」
目立つことをひかえていらっしゃる。慎(つつ)ましいご性格だと感じます。
今回の一般参賀では、眞子さまも佳子さまもピンク色や黄色のご衣裳をお選びです。明るくていいですね。でも、公務の場ではベージュや紺のシンプルな服をお召しですね。
平成28年の6月、娘の欧子が青山で個展を開催した際、皇后さまを始め、妃殿下方がご覧にいらしてくださいました。
なかでも眞子さまは、興味深そうに、いろんな方向から観察なさる。紀子さまがお帰りになっても、全面に花飾りのついた帽子や、アスコット競馬場で被(かぶ)るような大ぶりの帽子に関心を示され、「被ってみたい」と楽しまれて。
これからの日本を代表する内親王さまが、華やかな装いでお出かけになる。そうなれば我々帽子をつくる人間は、どんなにか嬉(うれ)しいことでしょう。
※週刊朝日 2017年1月6-13日号