リオデジャネイロ五輪から引き続き、東京オリンピックでも日本代表のヘッドコーチを務めることになった丸山茂樹氏が、五輪への意気込みを語る。
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国内男子ツアーの「ブリヂストンオープン」(10月20~23日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦コース)は、小平智(27)が初日の91位からはい上がって優勝しました。立派な今シーズン初優勝でした。
伏線というか、前週の日本オープンでもいいゴルフをしてたんでね。初日のつまずきは「あれっ」と思ったんですけど、うまく戻してきました。これで来年8月に開かれる世界選手権シリーズ「ブリヂストン招待」(米オハイオ州のファイアストンCC)への出場権を得ました。
小平は3年前、世界の強豪が集まるこの試合に初出場したんですけど、手も足も出なかった。総距離7400ヤードのコースに翻弄(ほんろう)され、4日間ともアンダーで回れなかったんです。2度目のチャンスを自分の手でつかんだわけですから、思う存分、いい経験をしてきてくれたらと思いますね。
米PGAツアーの「CIMBクラシック」(10月20~23日、マレーシアのTPCクアラルンプール)で松山英樹(24)が2位になり、直後に発表された世界ランキングで自己最高の10位になりました。日本男子の過去最高は中嶋常幸さんの4位(1987年)、次いでジャンボ(尾崎将司)さんが5位(96、97年)、青木功さんが8位(87年)。日本勢のトップ10は“AON”に続く快挙ということになります。
AONのみなさんは日本ツアーのポイントが高い時代のことですから、英樹が米ツアーに参戦してランキングを上げてきたのは特筆すべきことだと思います。それでも、どの時代のときも先輩たちがそこにいたってのはすごいことなんですよ。全盛期の中嶋さんと英樹が戦ったらどうなるか、ジャンボさんの全盛期と戦ったらどうなるかといったら、それはもう、何とも言えません。道具の進化もあるし。そんなことは別にして、この時代の厳しい争いの中で10位に入ったというのは、英樹の強さの証しです。それは間違いない。
それとこの会議では、リオデジャネイロ大会のような男女の個人戦ではなくって、各国3~4人ずつ出場する団体戦に切り替える提案を国際ゴルフ連盟に出すことも決まりました。
同じ話が相当数の国から出てるみたいですから、間違いなく個人戦は終わりになると思います。個人戦だとどうしてもモチベーションが高まらないんです。国を背負ってやってる意識が持てない。団体戦で「準決勝」「決勝」とやっていった方がファイティングスピリットが出るし、見ている方も楽しいはずなんです。
個人戦だとヘッドコーチは何もできませんでしたけど、団体戦なら風の向きに始まって、いろんなアドバイスができると思う。現場で第三者の目があると、全然違ってきますからね。
とにかく4年後は日本でやるんだから、メダルゲットといきたいですね!
小平、しっかり力を蓄えよう
※週刊朝日 2016年11月11日号