村上春樹とイラストレーターをテーマにした世界初の展覧会が、ちひろ美術館・東京で開催されている。イラストレーター4人が村上作品と向き合いイメージした独自の世界観が広がっている。
かつて村上が経営していたバーに飾られたこともある『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』の表紙絵など、佐々木マキの作品を見られる貴重な機会。さらに大橋歩の銅版画、和田誠が村上とはじめて手がけた装丁の版下、長年コンビを組んだ安西水丸の作品や村上が安西の亡くなる直前に依頼し、和田が引き継いだ作品など約180点が展示されている。
多くの読者が、村上春樹といえば思い浮かべるイラストレーションばかりで、国内はもとより、世界中から問い合わせがあり観覧者が訪れている。4人が描き出すイラストレーションは村上春樹の世界を描き出す色鮮やかなワンダーランドのようだ。
※週刊朝日 2016年7月22日号