故・忌野清志郎さんが亡くなって7年。53歳だった2005年2月、名曲「雨あがりの夜空に」をセルフカバーしたシングルを発売する際のインタビュー記事を大幅に加筆・再編集してお届けします。
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どうしたんだ! HEY HEY BABY!……という声は相変わらずだが、いったい、しゃべってるのか、歌っているのか。忌野清志郎がデビュー35周年記念として発表した最新シングル「雨あがりの夜空に 35」は、実に悩ましい。
日本のロックンロールを牽引してきた清志郎が、ヒップホップの人気グループ、ライムスターと組み、RCサクセション時代の名曲をセルフカバーした”問題作”だ。
若者には大受けらしいが、往年のファンは、それこそ「どうしたんだ!」と頭を抱えている。清志郎は、ストレートなビート、R&B、ソウル、ほのぼのさせるバラードを神髄としてきた。ラップで歌われちゃ困る――と、ネットの書き込みを見ても、こんな反応が……。
「過去の名曲を、勢いのあるアーティストと今風にリメイクするなんて嫌い。清志郎、お前もか」
「何で今さらHIP HOPバージョンなんだ?」
そんな疑問に答えるべく、ご本人を訪ねた。
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――僕は今、36歳なんですが……。
ふんふん。
――ロックを探究してきた人間からするとですね……。
ふんふん。
――このリズムってなんだ、と。
なんだ、と(笑)。
――これまで例のなかった禁断のセルフカバー。それがなんでヒップホップなのか、コラボなのか、と……。
ふんふん。
――釈明を求めたく(笑)。
うーん。いやあ、どうなんすかねー。