漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「テレ朝SMAPバラエティ部スマシプ!全然ゆるくないバスの旅 秋の3時間SP」(9月22日19:00~)を観て、高齢化するアイドルがいまだアイドルとしていられる理由を分析する。
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SMAP(スマップ)ではなく、スマシプ。木村拓哉と稲垣吾郎を抜いた3人で、自称バラエティ班。「笑っていいとも!」のレギュラーだった中居、草なぎ、香取のユニット名なのだ。その3人の旅番組が放送されたのはシルバーウィーク。なんなのこの特番、アイドルの高齢化問題について、考えろってことなの?
気づけば、最年少の香取を除いた全員が40代のSMAP。水着でプールに立つ姿も、エステでベッドに横たわる姿も、東京ドームで巨人の原監督に遭遇し、「風呂上がりの匂いがした~!」(中居)とはしゃぐ姿も、普通に休日のおっちゃんである。でも、その「普通におっちゃん」てところがすごいと思う。なんせSMAP以前のアイドルは、青春のひとときをキラキラときらめきながら駆け抜けていくものだったから。いつしかファンは卒業し、アイドル自身もその立ち位置からフェードアウトしていく、それがアイドル。
しかしSMAPはそこを動かずに、「普通におっちゃん」として立ち位置をキープし続けている。アイドルとして最初に「チーム戦術」を持ち込んだグループと言える。以前、TOKIOの城島茂、V6の坂本昌行とのトークで、中居が語っていたリーダー論。
サッカーで言うと、FWが木村拓哉だとしたら、中居は中盤・守備的MFの位置からパスをする司令塔的ポジション。それまでのアイドルはFWまかせの「前に蹴っとけー!」状態だったけど、彼らは全員サッカーを展開した。ある者は歌がヘタ、ある者はダンスがヘタ、退場したりレッドカードを貰う者がいてもフォーメーションはくずれない。
後輩たちに大きな影響を与えたと思われるこの戦術。「俺が、俺が……」と個をアピールするのではなく、チームとしての存在だからこそ、「普通におっちゃん」になっても大丈夫なのだ。
現在、SMAPの平均年齢41歳。TOKIOは40.4歳。V6は38.5歳。嵐は32.6歳。東京五輪どころか、その次のオリンピック時にも普通にがんばっていそう。そしてTOKIOは、島作りに励んでいるにちがいない。
※週刊朝日 2015年10月9日号
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