人気漫才コンビ、今いくよ・くるよのいくよ(本名・里谷正子)さんが5月28日、胃がんのため亡くなった。67歳だった。
「看護師さんが『里谷正子さん』って聞くと『里谷正子28歳です』って答えて、看護師さんも思わずプッと笑いはって、漫才師やねえ。『ナイスギャグや』って言うたんですね、私。するとニカッと笑っていた」
29日、いくよさんの通夜の後、そう話したのは、相方の今くるよさん(67)。2人は通っていた京都市内の高校の同級生で、ともにソフトボール部だった。卒業後は会社に勤めたが、くるよさんに誘われ、芸人の道に。1973年に初舞台を踏んだ。
数少ない女性のコンビで苦労もあったが、80年代の漫才ブームに乗り人気者に。細身のいくよさんとふくよかなくるよさん。体格に合わせた、ユニークなファッションと関西のおばちゃんならではのテンポ抜群のしゃべくりで、上方漫才大賞や上方お笑い大賞など数々の栄誉に輝いた。女性漫才コンビのパイオニア、吉本興業の揺るぎない「金看板」としてトップスターとなった。
2014年9月、いくよさんに胃がんが判明。手術はせず、抗がん剤治療を続けた。そして12月には舞台に復帰。今年5月11日まで、ずっと漫才を演じていた。