民主党参院議員の蓮舫氏(47)は、仲間の応援に引っ張りだこ。解散した11月21日からトレードマークの純白ジャケットに身を包み、香川、愛媛、千葉、新潟、広島と飛び回る。

「やりたい放題の安倍総理に、4年間白紙委任するのですか!」

 うちわ問題で松島みどり前法相を辞任に追い込んだ舌鋒の鋭さは相変わらず。時おり拳を振り上げながら、聴衆を引き込んでいく。

「冬の演説はコンパクトさが重要。蓮舫さんは10分間で首相批判、党の政策、候補者のアピールをきれいに盛り込む。模範的です」(民主党関係者)

 民主党は100議席超えも視野に入るだけに、蓮舫氏も応援に力が入る。だが、つい1カ月前までは衆院東京6区へのくら替え出馬がウワサされていた。

 6区は小宮山洋子元厚生労働相の地盤。前回の衆院選で落選して引退したため、民主党の空白区となっていた。蓮舫氏はかつて友人に「いずれ衆院で上を目指したい」と語り、今夏には6区の世田谷区に事務所を移転。いよいよと見られていたのに、なぜ不出馬だったのか?

「民主党で長年面倒を見てもらった師匠の仙谷由人元官房長官に配慮した」と明かすのは民主党幹部だ。

「6区はもともと民主党が強い選挙区。前回、旧徳島1区から出馬し落選した師匠の仙谷氏に東京6区から出てもらい、当選して最後の1期、花道を飾ってもらおうとしたのです。蓮舫さんは全面支援し、出馬するのは次回でいいと。両者と親しい枝野幸男幹事長もこれを快諾。水面下で計画は進んでいたのですが、直前になって仙谷さんの体調がすぐれず、白紙となってしまった。蓮舫氏は泣いて残念がったようです」

 いま全国を飛び回りながら、頭の中では、実現しなかった師匠への応援をイメージしているのか。

 真相について聞こうと11月27日、演説終わりの蓮舫氏を直撃したが、「急いでいますので」とかわされてしまった。
 
 前出の幹部は話す。

「6区は結局、野党統一候補として維新の党の新人が立候補しました。だがウチは空白のまま。今回の結果がどうなろうと、次期衆院選は間違いなく蓮舫氏が出馬するでしょう」

 蓮舫サン、衆院小選挙区は1位じゃないとダメなんです。

週刊朝日 2014年12月12日号