還暦を迎えた同級生バンド、THE ALFEEの高見沢俊彦、坂崎幸之助、桜井賢。学生時代、好みは違ったがさまざまな音楽を共有し合ったのは、麻雀をしながら聴くレコードだったという。
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高見沢:つまり、麻雀だよな。大学生のころ雀卓を囲むときに、好きなアルバムを持ち寄って聴かせ合っていた。俺はだいたいハードロックをかけて、坂崎はアコースティックな洋楽とか日本のフォーク。聴いているうちに、みんなで「これいいね」ってなる。
坂崎:いわゆる主体性ってやつがない(笑)。
高見沢:よく言えば影響を与え合っていたってことだろ。坂崎がディープ・パープルの「紫の炎」を俺より早く買ってきたときは、さすがにビックリしたけどね。
坂崎:もっとすごかったのは、ハードロック一辺倒だった高見沢がさだまさしさんとか加川良さんを聴きだしたときだろ。
高見沢:それでも、桜井だけはレコードを買わないんだよな(笑)。
桜井:2人がいろいろと買ってくるから、一緒に聴いて、「いいよね」と。それを聴けばいいんだよ……同じバンドなんだから。
坂崎:桜井は歌うことが好きなんだよな。とにかく昔から声がでかいしさ。
高見沢:みんなでいろんな音楽を共有できたし、いい大学時代だったと思うよ。途中で音楽の道を選ぶために中退しちゃったけどさ……。
坂崎:そんな大学時代がアルフィーの礎になったのは確か。
桜井:でも今年、明治学院大学から名誉学士の称号を授与されて、卒業式までやってもらった。
坂崎:僕らはあんまり意識していないんだけど、歌の中にキャンパスの風景が浮かび上がるみたいだよね。
高見沢:俺は高校から行っていたし、高校、大学を通じて出会ったメンバーでこれまで40年もやってきたわけだから、名誉卒業は本当に嬉しかった。還暦も迎えたし、「長く続けるもんだ」って思ったよ。
坂崎:これからも、特別な理由でも見つからないかぎり、やめないんだろうな。
桜井:とりあえずはデビュー50周年が目標でしょ。前から公言しているじゃん。
高見沢:あとたったの10年だからね。同年代の読者の方々も一緒にがんばりましょう! 週刊朝日の健康特集を読みながら(笑)。
※週刊朝日 2014年6月27日号より抜粋