総務省の「情報通信白書」によると、12年度末時点で固定電話の加入契約は5681万件。携帯電話全盛の時代でも、いまだに固定電話は生活インフラのひとつだ。そんな固定電話にも、“使いやすさ”を重視した機種がある。
パイオニアの留守番電話機「デジタルコードレスTF-SE10S-W」(9千円程度)は液晶画面の文字やダイヤル、音量調節ボタンが大きくなっている。
同社の「あんしん子機ら・く・わ」(1万円程度)は、同社の対応電話機で使える子機だ。一般的な子機とは違って、受話器と本体の二つに分かれているので、「受話器を上げて通話が始まり、受話器を架台に戻して電話を切る」という、普通の電話機として使える感覚がシニアから好評だという。
「電話線の差し込み口が玄関や廊下にしかない古い家では、コードレスの子機を持っていても、使い勝手の悪さから、わざわざ玄関や廊下に出て親機を使う高齢者も少なくない。そうした人に活用していただける子機です。充電池を内蔵しているので、好きな場所に移動して通話できます」(同社の国内営業企画部)
振り込め詐欺や勧誘業者からの電話を自動で判別して知らせてくれる周辺機器もある。ウィルコムの「迷惑電話チェッカー」(月700円、同社の携帯電話を利用していると月490円)だ。
利用者全員で迷惑電話番号の情報を共有するため、登録されている番号(14年2月時点で約2万5千件)から電話がかかってきたときに、ランプと音で知らせてくれる。
「警視庁、千葉県警、埼玉県警などからも迷惑電話番号の情報提供を受けています。設定もシンプルで電話回線と固定電話機に付属ケーブルで接続するだけ」(同社)
高齢者だけでなく、親を心配する子ども世代などからも人気が高いという。
※週刊朝日 2014年3月14日号