戦後初めて、皇室が五輪招致活動に積極的な姿勢を見せている。皇室はどのように五輪招致に関わるべきだと考えられているのだろうか。本誌はインターネット調査会社を通じて500人にアンケートした(回答者は男性が313人、女性が187人。年代別では40代が37.2%、50代が24.8%、30代が20.4%)。
まず、東京五輪開催の是非について聞いた。「賛成」53.0%、「反対」20.6%、「わからない」が26.4%。過半数が東京での五輪開催を望んでいた。
日本国憲法で天皇は「象徴」とされ、「憲法に定める国事行為のみを行い、国政に関する機能は有しない」とされている。このため、国民の意見が分かれたり、政治性を帯びる行事については、距離をとってきた。国内開催が決まれば皇室が関わるが、スペイン王室のように招致活動に参加することは、これまでなかった。
こうしたスタンスを変えて、招致運動に関わることの是非についても質問した。「賛成」が46.2%、「反対」が21.8%、「わからない」が32.0%。東京五輪開催に賛成する人の7割が、皇室の招致活動参加を希望。東京での開催に反対する人のうち6割が、皇室が招致活動に関わることにも反対の立場を示した。
賛成派の人が具体的に関わってほしいのは、皇太子ご夫妻が55.8%、天皇、皇后両陛下が18.6%、秋篠宮ご夫妻と眞子さま、佳子さまが16.5%、2020年の五輪開催地を決めるIOC総会に先がけてアルゼンチンを訪問する三笠宮彬子さまと高円宮妃久子さまが7.8%。その他の皇族は1.3%だった。
世代的に皇太子さま、雅子さまと近い40、50代には、お二人の活躍を望む声が強かった。両年代の6割以上が、皇太子ご夫妻が招致運動に関わることを望んでいた。
五輪の招致合戦はすでに最終盤を迎えているが、東京五輪が決まれば、皇太子ご夫妻が積極的にPRしていくことになるだろう。
五輪招致活動とは別に、とくに親しみを持っている方も尋ねてみた。その結果は天皇陛下が28.0%、皇后陛下が20.4%で圧倒的な支持を集めた。天皇陛下には男性を中心に、10代から高齢者まで幅広い層が親しみを抱き、皇后陛下はとくに女性から親近感を持たれていた。次いで皇太子さまが10.0%。雅子さまが9.8%、紀子さまが8.2%、秋篠宮さまが7.0%。秋篠宮さまの次女で学習院大1年の佳子さまが4.8%で続いた。
皇太子さまに親しみを強く持っていたのは40、50代の男性。秋篠宮さまも30代から50代の男性の支持を受けた。雅子さまは40代を中心とした女性に親近感を抱く人が多く、約10年に及ぶ療養生活にもかかわらず、女性回答者に限れば、天皇、皇后両陛下に次ぐ人気だった。ただし、男性は幅広い年代で、雅子さまより紀子さまに親近感を抱く人が多かった。
今春の大学入学を機にフレッシュな話題をふりまいた佳子さまは、20代から50代まで幅広い年代の男性に大人気で、男性には雅子さまを上回る親近感を持たれていた。
雅子さまに回復後、取り組んでいただきたい公務については「外国訪問」が30.4%。「国内の地方訪問」が18.8%。「公務はしなくてよい」も15.6%いた。
※週刊朝日 2013年9月13日号