「スカーレット列車」をバックに戸田恵梨香 (c)朝日新聞社
「スカーレット列車」をバックに戸田恵梨香 (c)朝日新聞社
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 10月からスタートしたNHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」は、10日放送回からようやく戸田恵梨香(31)が本格的に登場。女性陶芸家の草分けとなる主人公の15歳の姿をセーラー服姿で見事に演じた。

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 しかし、朝ドラの“お約束”で放送1週目での戸田の出演シーンはなく、ヒロインの少女時代をメインにストーリーが展開されたため、第1週の平均視聴率は19.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とやや不調な結果に。20%には届かず、初週視聴率としては「ひよっこ」以来5作ぶりの大台割れとなった。近年「平均視聴率20%超え」が当たり前になりつつあった朝ドラだが、「スカーレット」はこのまま苦戦を強いられてしまうのか。

「まだ2週目が終わっただけなのでなんとも言えませんが、朝ドラの歴代ヒロイン総出演だった前作の『なつぞら』と比べると、ちょっと見劣りしてしまうのはたしか。『なつぞら』は今をときめく広瀬すずが主演に加えて、朝ドラ100作目ということもありとても豪華絢爛なキャスティングでパワープレイを披露し続けたため、『スカーレット』が地味に見えてしまうのは仕方ないのかもしれません。とはいえ、すでに民放ドラマでは実績のある戸田恵梨香が主演ですから、彼女がここから物語をどう盛り上げていくのかがポイントになってきます。もし、オーディションを経て新人女優が『スカーレット』の主演をやっていたと仮定すると、目も当てられない結果になったかもしれません」(テレビ情報誌の編集者)

 朝ドラにおいてオーディションを経て主演女優が決まった作品は、2018年4月期に放送された永野芽衣主演の「半分、青い。」までさかのぼらなければならない。以後、「まんぷく」「なつぞら」「スカーレット」と、“オーディションなきヒロイン”が続いている。こうした状況を憂うのはある民放ドラマプロデューサーだ。

「朝ドラというのは新人女優の登竜門。オーディションを機にまっさらな新人女優が生まれ、やがて巣立っていく。いま活躍している女優さんのなかにもこの王道コースを経て大ブレイクした人が何人かいますが、つまり朝ドラ発の新人女優は“日本の宝”と言っても過言ではないんです。次回作『エール』(主演/窪田正孝)のヒロインを決めるため、先日4年ぶりにオーディションが行われましたが、合格したのは二階堂ふみでした。実績のある彼女がオーディションを受けてまでもこの役を獲りにいったのも驚きでしたが、こうやって新人女優がデビューするチャンスが奪われてしまうと、未来の主演女優が育たなくなるという側面もあると思います。一方、戸田さんは女優としてのキャリアの転機を今回の『スカーレット』で実現しなければいけません。実力派人気女優が朝ドラでどう生まれ変わるのか、そういった視点で見るとより面白く楽しめるはずです」

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