2019年度の東大推薦入試合格者数は66名。「スーパー高校生」と言われる合格者の一人、キリくん(仮名)の母親であるタエさん(仮名)は、お金・学歴・海外経験のない普通の主婦でありながら、キリくんが小6のときに英検1級に合格させた「スゴ腕」の持ち主。東大合格の原点となったタエさん流英語育児は話題となり、『お金・学歴・海外経験 3ナイ主婦が息子を小6で英検1級に合格させた話』(朝日新聞出版)として書籍化もされている。いったいどんな教育なのだろうか?
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5歳で英検5級に合格すると、幼稚園卒園直前に準2級、小6で1級に合格、小5の時にはTOEIC920点を取得したキリくん。この頃には、すでに日本語と同じように自然に会話ができたという。
東大推薦入試といえば、研究分野における全国的なコンクールやコンテストでの入賞、論文掲載などの実績に加え、英語力も求められるが、キリくんは現在、なんとTOEFL iBT(R)109点、TOEIC985点とハイスコアを獲得しているのだ。
キリくんは帰国子女でもなければ、インターナショナルスクール出身でもない。そんな彼がどうやってこれだけの英語力を身に着けられたのだろうか? その陰には、母タエさんの英語育児があった。
タエさんが英語育児をスタートさせたのは今から約15年前、キリくんが3歳になる直前のこと。「とにかく賢い子に育てたい」というタエさんの願いからだった。
「子どもの将来を考えたときに、英語ができたら可能性が広がると思いました。でも、うちは“お金なし(当時の年収500万円)、学歴なし(高卒)、海外経験なし”と、ごくごく普通の庶民。私自身、とにかく勉強をしなかったので、高校の英語のテストで3点をとったこともありました(笑)」
高額な教材やスクール、留学などにかけられるお金も、「こうすればバイリンガルになれる」というノウハウもないなか、試行錯誤を重ね独自のメソッドを実践した。ポイントは、「幼児期」と「日常生活」にあるという。
「幼児期、とくに日本語でちょっとした会話ができるようになる3歳ごろが、英語育児を始めるのにちょうどいい時期だと思いました。日本語を身につけていくのと同じように、英語も自然と身につけていけたらいい。まずは親が日本語と同じように、英語で語りかけること、英語をBGMにした“かけ流し”や、英語圏のアニメを見せて、英語を大量に聞かせることが大切だと考えました。小学生になってからだと、母親がいきなり英語で話しかけてきたらビックリするでしょうし、そもそも英語のアニメを見たがらないかもしれない」