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新年あけましておめでとうございます。
さて、新しい年、平成31年、西暦2019年を迎えたわけだが、古くからの言い方、干支(十干十二支)で言えば、36番目の年・己亥(つちのとのい)の年ということになる(※注)。十二支ならばイノシシ年。ところが恵方(吉方)を決めるのは十干の方で、2019年はほぼ東北東で、これはお正月に迎える神さま・年神さま(歳徳神)がいる方角だと言われている。
●歳徳神のいる恵方
京都の神泉苑で祀られている歳徳神のお宮は、毎年この恵方に向かって拝礼できるようお宮自体が動かせる作りになっていることは、ニュースにもなりよく知られている。初詣に遠出できるように交通機関が発達する以前は、お参りする場所がご近所だったため、初詣は自宅(職場)から恵方にある寺社に詣るという風習もあった。もちろん、土地によっては今でもその習慣が残っているところもあるようだ。
近年、再び「恵方巻き」という新しい習慣が登場し、恵方にも注目が集まってはいるが、十二支に比べるとその認知度ははるかに低い。
●60年前の己亥のできごと
子・丑・寅・卯……で始まる十二支は、おおよそほとんどの日本人は理解していて、新年を迎えると「今年は亥年だ」と認識をする。自分の生まれ干支(正確には十二支だが以後はこう記す)は知っているし、同じ干支ならば、12歳、24歳、36歳……違いだと瞬時に判断できる。正確に言えば同じ干支ならば同い年か60歳違いなのだが。60年前といえば、現在の天皇皇后両陛下がご結婚され、ハワイがアメリカの1州となった年である。
●12番目のイノシシのイメージ
亥は十二支で言えば最後12番目となるが、イノシシには「猪突猛進」「猪武者」という言葉があるように、“がむしゃら”“猛烈”といった力強いイメージがある一方で、“向こう見ず”“思慮不足”という無分別的な意味あいもあるようだ。
ところが、イノシシは神仏の使徒として登場する動物なのだ。神鹿、狛犬、神猿、お狐といった神のお遣いの列に並ぶのである。
これはひとえに、イノシシの力強い動きと、ぼくとつな正直さのようなイメージからきているのではないだろうか。日本人には好まれる性質なのかもしれない。