プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)が13日に開幕。パ・リーグのファーストステージはソフトバンクと日本ハムが対戦し、西武への挑戦権を争う。実はこの対戦、選手の年俸総額がトップと最下位で、日本プロ野球界最大の「給与格差対決」でもある。そこで、両チーム選手の今シーズンを年俸を材料に、クライマックスシリーズを展望してみたい。
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シーズン開幕前、多くの評論家たちが優勝候補の筆頭にあげていたのがソフトバンク。柳田悠岐、松田宣浩、デスパイネ、内川聖一という強力打線で、年俸は全員4億円。さらに二枚看板エースの千賀滉大(1億2500万)に東浜巨(9000万)、そしてMVPストッパーのサファテ(5億)がいた。
ところが、シーズンが始まると故障者や不調の選手が続出。登板数ではサファテが6、摂津正(4億)は7、和田毅(4億)はゼロ。3人合わせて13登板で、1登板あたりのコストは1億円だった。また、昨年の最優秀中継ぎ投手の岩崎翔(1億3000万)も、右肘手術で2試合しか登板できなかった。
マウンドには上がったものの、バンデンハーク(4億)は防御率4.30で10勝止まり。五十嵐亮太(3億6000万)も防御率4.50と、高額年俸投手陣が総崩れ状態という苦しいシーズンとなった。
ソフトバンクが優勝候補であった理由に「選手層の厚さ」があった。それでも、ここまで一流選手がケガや不調で離脱すると、さすがに優勝争いどころではない。8月までは4位に沈むこともあったほどだ。
そんな“どん底”のソフトバンクを救ったのが、牧原大成(1200万)だ。7月8日に1軍昇格すると、8月に入ってから「1番・二塁」に定着。鷹打線を引っ張り、打率.317の好成績を残した。ちなみに牧原は、捕手の甲斐拓也(4000万)や千賀と同じ育成選手出身で、同期でもある。新たな「育成の星」の誕生だ。
ところが、その牧原も9月27日の西武戦で右足を痛めて交代。CSの出場は難しいという。高給選手から若手まで、今年のソフトバンクは災難続きだった。