2020年度から、大学入試センター試験に代わる新しいテストが始まる。とくに英語は、従来のマークシート試験から、英検やTOEICなどのスコアを活用するスタイルへと劇的に変化する。新しい試験はどんな中身になるのか、試験対策はどうしたらいいのか。東進ハイスクール講師の安河内哲也さんと、文科省の有識者会議座長として英語教育改革に関わるを務める上智大学教授の吉田研作さん、2人のエキスパートが疑問に答える。7月20日発売のAERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2018」の一部を抜粋し、最新情報をお届けする。
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Q:センター試験の英語はどう変わる?
A:民間試験のスコアを提出するものになります
センター試験に代わり、2020年度から「大学入学共通テスト(仮称)」が導入される。英語の場合、文科省は、英検やTOEICなど、民間の4技能試験を採用すると想定されている(23年度までは移行期間として従来のマークシート式試験も継続)。受験者はそのスコアを大学入試センターに提出することになる。
「提出できるのは高校3年次の4月から12月までの2回分だけですが、受ける回数は自由です」(吉田さん)
海外留学を検討しているなら、4技能試験のハイスコアは必須だ。
「世界のトップ大学のほとんどが4技能試験以外は留学生の就学資格として認めていません」(安河内さん)
Q:合格を目指すにはどの程度のレベルが基準になりますか?
A:英検2級取得が一つの目安となります
民間試験のおのおのの評価法は異なるが、文科省は英語力を客観的に判断する際に用いられる「CEFR」(セファール、ヨーロッパ言語共通参照枠)を指標とする考えだ。
「CEFRは、A1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階に分けられています。C2が最も高く、B1が英検2級と同等と言われています。英検2級は高校卒業程度の能力とされていますから、B1を目指すといいと思います」(安河内さん)
「民間の試験は1点刻みのものもありますが、段階的に力を測るものもあります」(吉田さん)
Q:「読む」「書く」の2技能は、どこまで伸ばせばいいですか?
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