また、今の小学生の保護者世代は海外勤務の経験がある親も多く、グローバル教育の必要性を実感している。グローバル教育を前面に打ち出した三田国際学園、かえつ有明、開智日本橋学園は保護者に評価され、前年に引き続き志願者を集めた。特に広尾学園は、ほとんどの入試回で志願者が増加し、合計4千人(帰国生入試を含む)を超えた。難度もアップしている。
男子進学校は、前年度の大学合格実績が人気に反映される傾向がある。16年に東大合格者が増えた栄光学園、逗子開成、桐朋、麻布などは志願者が増えた。麻布の増加の理由について、広野さんは次のように言う。
「もともと麻布は放任主義でしたが、今では低学年ではまめに小テストを実施するなど、非常に面倒見がよくなっています。現役合格率も上がっており、保護者の評価も高まっているようです」
共学校でも、東大合格実績が伸びた渋谷教育学園幕張、栄東、開智の志願者が増加した。
一方、女子校は、隔年減少で増減が繰り返されるケースが多い。ただし最近は女子の人気が共学校へ傾いており、苦戦している。その理由を広野さんはこう分析する。
「理系人気は女子も同様で、理系志向の女子は実績をあげている共学校の方へ目が向いてしまいがちです。女子校は、理系に強いというイメージがないと厳しいですね」
そんな中、立教女学院、鎌倉女学院、横浜共立学園などは志願者を増やした。
地方の学校の出張入試も好調だ。長野の佐久長聖は、東京会場で2200人以上の志願者を集めた。札幌にある北嶺は小規模ながら、医学部合格実績が好調。手厚い学習支援が評価され、寮に入って難関大を目指す「青雲寮コース」が人気だ。首都圏や関西圏から入寮を希望する生徒が増えている。
アエラムック教育編集部