竹谷 何か作品を作ったら、メールで送ってもらう。それを翌週のスタディルームで「◯◯ちゃんはこんなすごいものを作ったよ」と紹介すると、どんどん私もやろう、となる。これは想像以上の広がりでしたね。
梅崎 スタディルームでは複数のキューブで立体を作らせるワークがあるんですが、「◯◯くんの画面をちょっと大きくするよ」と言って全員に見せると、その子はすごくうれしそうなんですね。たぶんラジオで自分のメールが読まれたような快感なのかと(笑)。
―― オンライン動画のほうでの工夫は?
梅崎 子どもは面白くないと続けて見ませんから楽しい遊びの要素をいかに入れていくかが勝負です。例えば、オープニングは学年に合わせて、何か司令を出したり、簡単な実験を扱ったり。「生たまごとゆでたまごを割らずに見分ける実験」「粘土は浮くか沈むか実験」などは家でも簡単に再現できるので好評でした。これも、ふだんの授業では難しくて、動画だからできる「つかみ」ですね。ネタを作り続けるのが大変ですが、これはもう先生全員でネタ出ししてストックしています。
竹谷 文章の書き写しの教材があるのですが、これは先生が書き写している手元の動画を作って「どっちがきれいに、かつてきぱきと書き写せるか対決しよう!」という趣向にしてみました。ふだんは先生の手元をじっくり見せることができないので、これもうまくいったアイデアでした。
梅崎 「まいにち花まる」では、先生が二人一組になって、一人がレクチャーをし、もう一人が生徒側になって生徒といっしょに動作を行う、という動画にしています。自分と一緒にやってくれる先生がいる、というのがポイントです。
竹谷 教室などで「群れ」で学習する意味は、得意な子がやっている様子を見て、それをまねることで上達していく、という要素があるんです。観察学習ですね。ですから、動画を作る際も、教える先生だけでなく、生徒の見本となる先生を立てよう、というのはアイデアの初期から出ていました。
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