■アクティブ・ラーニングって何だろう!?
「アクティブ・ラーニング」という表現が教育現場に入りこんだのはいつのことだろう。教員が講義形式で一方的に教えるのではなく、グループワークやディスカッションを導入するなどして生徒たちが主体的に、仲間と協働作業をしながらその学びを深める手法を指すとされている。
「アクティブ・ラーニング」は直訳すると「能動的な学び」となる。しかし、そもそも双方向型授業を展開しないとその姿勢は得られないのだろうか。あるいは、「学び」とはどんな形であれそもそも能動的なものではないのか。この表現を耳にするたびにモヤモヤしていた。
今回わたしは、東京都世田谷区にある共学校「東京都市大学等々力中学校・高等学校」を訪ねた。ここでそのモヤモヤが晴れるような思いに至った。
■受験生たちに圧倒的人気を誇る理科室
同校の文化祭には在校生の保護者や卒業生だけでなく、毎年中学受験生たちが大挙してやってくる。そして、彼ら彼女らに大人気の展示があるという。
教頭の二瓶克文先生は胸を張る。
「文化祭ではこの廊下に中学受験生たちの長蛇の列ができあがるのですよ」
同校の第2校舎の1階。ここは「生物室」「化学室」「物理室」とフロアすべてが理科の教室で占められている。廊下側には大きな窓があり、そのスペースを利用してさまざまなものが陳列されている。そう、人気を博しているのは理科部の展示だ。
目を引くのはなんといっても昆虫や動物の標本類。クジラやイルカの骨格標本や熊の剥製などがずらりと並べられている。これは理科部の部員たちが丹精込めて作り上げたものだという。ほかにも、さまざまな用途の理科実験器具が目に飛び込んでくる。
これらの展示、そして、1フロアすべてが理科教育設備であるという点から、同校は理科教育に力を入れていることが分かる。
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