●オーストラリアで森林火災 2019年9月~20年2月


日本の国土面積の半分に相当する約19万平方キロメートルが焼失(世界自然保護基金の試算)。記録的な乾燥と高温が続き、森林火災の危険性が増大していた。

●日本で観測史上、もっとも暖かい冬 2019年12月~20年2月
東日本(北海道・東北は含まない)と西日本(奄美・沖縄は含まない)の昨冬の平均気温は、平年に比べてそれぞれ2.2度、2.0度も高かった。雪の量も少なく、北日本(北海道・東北)や東日本の日本海側では記録的な少雪となった。

●バッタの大発生 アフリカ東部 2019年秋~継続中
ケニアやソマリアなどに深刻な農業被害をもたらした。2019年10月以降、アフリカ東部に降った大雨が、バッタの大発生の一因になったと考えられている。

【インド洋ダイポールモード現象】

インド洋ダイポールモード現象には、正と負がある。通常は、インド洋熱帯域の海水温は東部で高いが、正のときは海水温の高い海域が西に移る。これが起こると、アフリカ近海に積乱雲が発生し、アフリカ東部に大雨を、インドネシアやオーストラリア西部に乾燥を、日本を含む極東地域に高温をもたらす傾向があるとされる。負のときは海水温の高い海域が東に移り、インドネシアの周辺地域に雨が多くなる傾向があるとされる。

【ラニーニャ現象】

ペルー沖から太平洋中部までの広い海域で海面水温が低い状態が続く現象。アメリカ西部で乾燥による森林火災が発生しやすくなるほか、オーストラリアなどで洪水が起きることが多い。この現象が発生すると、日本の夏は猛暑、冬は気温が低くなる傾向がある。

【エルニーニョ現象】

ペルー沖から太平洋中部までの広い海域で海面水温が高い状態が続く現象。この現象が発生すると、日本の夏は低温で多雨、日照不足となりやすく、冬は暖冬になる傾向がある。

(サイエンスライター・上浪春海)

※月刊ジュニアエラ 2020年12月号より

ジュニアエラ 2020年 12 月号 [雑誌]

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